あちこち旅をしてまわっても、
自分から逃げることはできない。
大きなザックを背負って海外に旅をした。
自分探しの旅とかって大それたものじゃない。
ただ自由になったから、テレビやインターネットで見ていた土地に行ってみたかっただけ。
初めての一人旅は18歳、わけも解らないままいろいろな国へ行ったのを覚えている。
スラム街に物乞い、落ちない泥を冷たい水で洗い、夜の街にくり出したり...
それぞれの旅の思い出をここに書き出すと長くなるので割愛するが、
僕は最近、、というかここ4年近く海外に行っていない。
理由はいくつかあるのだけれど、日本国内に対して興味を持つようになった事が大きい。
最後に海外に行ったのは2011年の3月、インドへの旅。ちょうど東日本大震災の時、旅をしていた。
だからあの時の恐怖とか、そういったものは、僕は一切体験をしていない。
ただ、あの時から日本国内に対して興味を持つようになった気がする。
ちょうどその頃に、中沢新一のアースダイバーを読んだ事もきっかけだろうか。
旅の友でしかなかったザックは、国内の山や雪山、渓谷へ向かうパートナーになった。
建築や名勝にも多く足を運んだし、都築響一の珍日本紀行を頼りに多くの土地へ訪れた。
それまでは、日本なんてどこも同じだろうとひねくれていた僕だったので
行く先々での出会いは新鮮で、奇麗な場所、汚い場所、面白い土地の発見や、
それぞれの風土によっての小さな違いを見つける事が楽しかった。
同時に、地元の信仰やその対象の土地や山を訪ね、自分の家系図も辿ってみたりした。
本をいくつも読んで、その歴史を探ってみたり家系図を再編集して製本したりもした。
ここ4年間は、そんなことばかりしていた気がする。
結果として僕が何を得たのかというと、ここには書き出さないけれど大事なことに気付く事が出来た。
海外の風景はどこを切り取っても新鮮で、そこでの出会いも忘れない。
しかし、ここ4年で学んだことの方が自分にとってより大きくて大事なことになっている気がする。
つまり本当の意味での成長をできた期間だったのだと改めて感じている。
上の写真は東京のとある場所。
優しくて少し暖かい光が構成する景色に驚いて思わず撮った写真。
instagram等で写真の加工をしなくても、そのままでも美しい。
苦手だった東京も、今では大好きな街のひとつ。